インサートナット研究所講義
ビットくん
ビットくん

博士、最近カーボンニュートラルについてのニュースをよく見ます。 インサートナットの原材料の黄銅棒はどういう取り組みをしていくのですか?

 
インサート博士
インサート博士

おー、いきなりトレンドの質問じゃな。よく世の情勢に気を配っておる。感心じゃ。 難しい質問じゃから、わかりやすく以下で説明するぞぃ。

インサート博士
インサート博士

まずは①原材料についてじゃ。
伸銅品は、他の素材、例えば鉄、アルミ二ウム、ステンレス等と比較して、リサイクル原料の使用率が圧倒的に高いんじゃ。 黄銅棒の銅分についてはほぼ100%、亜鉛分についても80%はリサイクル原料から得ているぞ。

 
ビットくん
ビットくん

そーなんですか!という事は、原材料調達の過程では、ほぼカーボンニュートラルを実現していると言えるんですね!

インサート博士
インサート博士

そうじゃ。
次に② 原材料の生成についてじゃ。
製造工程では、原材料を溶かす溶解鍛造という工程があるんじゃが、ここでは化石燃料を使わず電気炉において電磁誘導加熱を用いているんじゃ。

ビットくん
ビットくん

おーー!。
電気の供給さえ政策的にカーボンニュートラルを実現できれば、黄銅棒産業全体としてカーボンニュートラルになると言えるんですね。

 
インサート博士
インサート博士

そうなんじゃ。
環境負荷の観点でも黄銅は極めて優秀じゃ。
例えば、鉄は精錬の過程で大量の二酸化炭素を排出してしまうし、ステンレスは電気炉で溶解鍛造するんじゃが、融点が極めて高い事で電気消費量も多くなる。アルミニウムは精錬時に大量の電力を消費するんじゃ。

ビットくん
ビットくん

なるほど。
メジャーメタルといわれる材料より、環境負荷の観点でも優秀なんですね。
③黄銅棒の製造工程面ではどうなんですか?

 
インサート博士
インサート博士

うむ。
黄銅棒は、製造工程でも環境負荷が低いんじゃ。
極めて一部の特殊材を除いては、必要な特性を得るための熱処理が不要なんじゃ。熱処理が必要であったとしても相対的に低温で完結するという利点があるんじゃな。

ビットくん
ビットくん

なるほど~。
熱とかは焼き入れ処理しますもんね。
ちょっと頭の中パンクしてきました。
あと1つは④リサイクルですよね。

 
インサート博士
インサート博士

うむ。
がんばって着いてくるんじゃぞ。
最後に④リサイクル面についてじゃ。
黄銅棒を使用して作られた部品は、適切にリサイクルする事で再度黄銅棒として生まれ変わる事ができるんじゃ。さらに、不幸にして黄銅棒として生まれ変わることができなかった銅系リサイクル原料は、再精錬によって、純銅に生まれ変わることができるんじゃ。

ビットくん
ビットくん

えーー!
完璧じゃないですか。
東海金属の工場でもリサイクルを徹底していると工場長が言っていました。
原材料調達から、製造、リサイクルに至る全てのプロセスを通じて、黄銅棒の環境負荷が低い事がわかりました。

 
インサート博士
インサート博士

うむ。
これらの点を欧州の伸銅メーカが中心になって、伸銅品におけるLCA(ライフサイクルアセスメン ト)のオーソライズされた物差しを作り出す取り組みが始まっておる。
東海金属が使っている材料メーカのサンエツ金属もこの取り組みに参画しているぞ。

ビットくん
ビットくん

なるほど。
黄銅棒の利用は、カーボンニュートラル実現に向けて欠くことができない重要な方策になるんですね。
博士、ありがとうございました。