洗浄品質は常に一定

洗浄工程は製品の品質を決めるうえで非常に大きなウェイトを占めます。
インサートナットは、樹脂に埋没させる製品ですので、脱脂をする工程は非常に重要です。 不十分な脱脂は、ケミカルクラック※などの製品不良を誘発します。 当社では全自動洗浄機を4台保有し、インサートナット専用の洗浄工程を社内で実現しています。

※ケミカルクラックとは、樹脂が薬品や油などに反応して、ひび割れたり、破損したりすることを指します。

洗浄工程
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洗浄 

製品や工程に合わせて炭化水素、弱アルカリ、水で洗浄します。

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リンス

洗浄の薬液が残らないように、きれいにすすぎます。

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乾燥

次の工程の加工や、検査に支障が無いようにきれいに乾燥させます。

全自動洗浄

従来の洗浄工程は、人が行う事が多く、その品質を作業者の熟練度や加減により大きく左右されていました。
作業者の力加減、ふり幅、時間にバラつきがあり、安定をさせるのが非常に難しい工程の1つです。
今日でも洗浄の多くは手作業で行う事が多いです。
その為、品質のばらつきが発生し、不十分な脱脂はケミカルクラックの要因となります。

当社では、洗浄工程を外注に委託する事をしていません。社内で実施し、管理しております。
洗浄設備はインサートナット専用に製作した特注品で、人的要因を排除し、機械による一定の作業を実現しています。 特注品にする事で、インサートナット特有の傷や打痕を最低限に減らす工夫を随所にしています。
これにより洗浄品質を安定させ、最高峰の洗浄を実現しています。

製品別洗浄方法を確立

当社が制作する製品は、多種多様で6000種類にも及びます。
その製品の最適な洗浄工程を、過去の実績から導き、製品別に洗浄を実施しています。
例えば、打痕が気になる商品の場合、製品は固定した状態で真空洗浄をします。
袋ネジで切粉が残置する可能性があれば、専用の洗浄機で洗浄します。

また、お客様のご要望に合わせて満足いただける洗浄工程をご提案し、不具合の撲滅に努めています。
これら作業はすべて現品票で管理しておりますので、トレサビリティが取れており、いつどのような洗浄を行ってだれが作業したかをすぐに検索する事が可能です。

洗浄工程を2回

当社では洗浄工程を2回実施しています。
旋盤加工が終了したタイミングで、1度洗浄を行います。 その後、他の工程を通過した後に、最終洗浄を実施します。

これは、社内で洗浄機設備を保有しているインサートナット専用メーカーだから出来る取り組みです。
他社では最終洗浄のみが多いのが現状です。

2回の洗浄により、徹底した脱脂を実現しています。
この工程により20年間で油による不具合は一度もありません。
インサートナットは樹脂に埋没させて使用する商品ですので、油はケミカルクラックを誘発します。
徹底した脱脂へのこだわりが、安定した品質を実現しています。